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Unity初心者が3D都市モデルPlateauを可視化するまで


大学院の授業で、国土交通省が提供している3D都市モデル「PLATEAU」を活用して、さまざまな可視化を行うソフトウェアを開発するプロジェクトに取り組むことになりました。

自分はUnityを初めて使用するため、まずはUnityの基本的な使い方を学ぶところから始めました。本記事では、Unityの基本的な使い方を簡単に紹介するとともに、「PLATEAU」を用いた3D都市モデルの可視化方法について解説します。



Unityとは

Unityは、ゲーム開発やAR/VR開発、さらにはインタラクティブなアプリケーションの作成に広く使用されているゲームエンジンです。無料で始められる強力なツールで、個人開発者から大規模なプロジェクトまで幅広く利用されています。
特に以下の特徴が挙げられます:

  • クロスプラットフォーム対応:UnityはPC、スマートフォン、ゲーム機、AR/VRヘッドセットなど、多くのプラットフォームで動作するアプリケーションを開発できます。
  • 直感的なインターフェース:Unityエディタはドラッグ&ドロップ操作を中心にした直感的なUIを提供しており、初心者でも扱いやすい設計です。
  • 豊富なアセットストア:3Dモデルやスクリプト、エフェクトなど、開発に役立つ素材をダウンロードできる「Unity Asset Store」が提供されています。

PLATEAUとは

PLATEAU(プラトー)は、国土交通省が推進するプロジェクトで、日本国内の3D都市モデルをオープンデータとして提供しています。建物や地形、道路などが3Dデータとして整備されており、都市計画や防災シミュレーション、教育など、さまざまな用途で活用されています。

主なデータ形式

PLATEAUのデータは、以下の形式で提供されています:

  • CityGML:都市モデルをXML形式で表現したファイル形式。
  • GeoJSON:地理空間データを扱うJSON形式。
  • 3D Tiles:Webで3Dモデルを高速に表示するための形式。

Unityの基本操作

Unity初心者として、まずは基本的な操作方法を学びました。以下は特に重要だと感じたポイントです:

1. Unityのインストールとセットアップ

Unityを使用するには、以下の手順を踏む必要があります:

  1. Unity Hubをダウンロードしてインストール。
  2. Unity Hubを使用して必要なUnity Editorのバージョンをインストール。
  3. 新しいプロジェクトを作成し、テンプレート(例:3D)を選択。

2. Unityエディタの基本構成

Unityエディタにはいくつかの重要なウィンドウがあります:

  • Sceneビュー:3D空間内のオブジェクトを編集するウィンドウ。
  • Gameビュー:実行中のゲームをプレビューするウィンドウ。
  • Hierarchy:シーン内のオブジェクトをリスト表示。
  • Inspector:選択したオブジェクトの詳細設定を表示・編集。

3. 基本的なオブジェクト操作

  • オブジェクトの追加:メニューバーの「GameObject」から3Dオブジェクト(例:Cube、Sphere)を追加。
  • 移動・回転・スケール:Sceneビューでオブジェクトをドラッグしたり、ツールバーの操作ツールを使って編集。

4. スクリプトの追加

Unityでは、C#スクリプトを使ってオブジェクトの挙動を制御します。以下の手順でスクリプトを追加できます:

  1. 「Assets」フォルダ内で右クリックし、「Create > C# Script」を選択。
  2. スクリプトをオブジェクトにドラッグ&ドロップで適用。

PLATEAUデータをUnityで可視化する

次に、PLATEAUの3D都市モデルデータをUnity上で可視化する方法について説明します。

1. 必要なツールの準備

以下のツールを準備します:

  • PLATEAU Unity SDK:PLATEAUデータをUnityで簡単に扱えるSDK。公式サイトからダウンロード可能。
  • データのダウンロードPLATEAUの公式サイトから興味のある地域のデータをダウンロード。

2. Unityプロジェクトへのインポート

  1. PLATEAU Unity SDKをプロジェクトにインポート。
    • Unityのメニューバーから「Assets > Import Package > Custom Package」を選択し、SDKファイルをインポート。
  2. ダウンロードしたPLATEAUデータをUnityプロジェクト内に配置。

3. 3D都市モデルの表示

  1. Sceneビューに「PLATEAU Controller」を配置。
  2. Inspectorビューでデータのパスや設定を指定。
  3. 再生ボタン(▶)を押して、シーン内に3D都市モデルが表示されることを確認。

今後の展望

今回の授業を通じて、UnityとPLATEAUを活用した可視化の基礎を学びましたが、今後さらに以下の課題に取り組んでいきたいと考えています:

  • インタラクティブ性の追加:モデルに対するクリックや操作で情報を表示する仕組みの実装。
  • パフォーマンス最適化:大規模な都市モデルでも快適に動作するようにする。
  • データ解析との連携:都市モデルを活用したシミュレーションや分析機能の実装。

UnityとPLATEAUを活用することで、3D都市モデルの持つ可能性を最大限に引き出すプロジェクトを目指したいと思います。


まとめ

本記事では、Unityの基本的な使い方から、PLATEAUを活用した3D都市モデルの可視化までを紹介しました。Unity初心者として始めたプロジェクトですが、試行錯誤を重ねることで新しいスキルを身に付けることができました。この記事が、これからUnityやPLATEAUを活用しようとする方々の参考になれば幸いです。