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Linear と GitHub で効率的なタスク管理を実現する


大学院で研究を続けていると、論文執筆や学会発表、実験・解析など多岐にわたる作業が発生します。 さらに、プログラミングを伴う研究の場合、GitHub を利用してコードやドキュメントを管理する機会も多いでしょう。 こうした複数プロジェクトを同時進行する上で、タスク管理ツールが役に立ちます。

本記事では、私が活用しているタスク管理ツール「Linear」と GitHub の連携のポイントをご紹介します。



Linear とは

Linear は、ソフトウェア開発チーム向けに設計されたタスク管理ツールです。
シンプルで洗練された UI と、高速な操作性が魅力的で、タスクの整理やプロジェクトの進捗管理がとてもスムーズに行えます。

  • Issue の管理: 一つひとつのタスクを Issue として管理。
  • マイルストーン管理: タスクをまとめてマイルストーンと紐づけることで、プロジェクト全体のスケジュールを俯瞰しやすい。
  • ワークスペースの切り替え: 複数のプロジェクトを一元管理できる。

私の場合、研究分野ごとにワークスペースを分け、タスクをカテゴリ別に管理しています。さらに、論文執筆タスクといった研究独自の要素にも対応させやすいところが気に入っています。


Linear を選んだ理由

1. シンプルかつ洗練された UI

Trello や Jira、Asana など様々なタスク管理ツールを試した結果、最終的に Linear に落ち着きました。理由の一つは、その UI のシンプルさ です。必要最小限の機能が直感的に操作でき、タスクの追加・編集がサクサク進みます。

2. キーボードショートカットの充実

ショートカットキーを活用できるのも大きな強みです。例えば C キーで新しいタスクを追加したり、# でプロジェクトを変更したり、キーボード中心の操作を好むエンジニアや研究者に向いています。

3. GitHub との連携が簡単

研究の一部でプログラミングが絡むと、GitHub でリポジトリを管理することが多いです。Linear は GitHub ともスムーズに連携できるため、Issue 管理とコード管理を一貫して行える のが魅力でした。


GitHub との連携方法

1. リポジトリの連携設定

  1. Linear の設定画面から Integrations を選択。
  2. GitHub アイコンを選び、Connect ボタンをクリック。
  3. 自分の GitHub アカウントとリポジトリにアクセスを許可する。

2. Issue と Pull Request の関連付け

  • Linear 上の Issue と GitHub の Pull Request (PR) を紐づけられます。
  • PR のタイトルやコメントに fixes <Issue番号> を書くと、自動的に Linear での対応タスクがクローズされます。
  • タスクとコードの変更履歴が同期されるため、管理がしやすくなります。

3. 自動ステータス更新

GitHub 側で PR がマージされると、Linear のステータスが自動で更新されます。これにより、タスク管理ツールとソース管理の整合性 を常に保てるのが便利です。


実際のワークフロー

  1. タスクを洗い出す
    研究内容や開発タスクごとに必要な作業を Linear 上で Issue として登録します。

    • バグ修正タスク (Bug)
    • 機能追加タスク (Feature)
    • 調査・文献レビューなどの研究タスク (Research)
  2. 優先度と期限を設定
    Issue の優先度 (High, Medium, Low) や予定完了日を設定します。論文締め切りや学会発表のスケジュールに合わせて、細かくタスクをコントロールします。

  3. 実装作業・実験を進める
    GitHub リポジトリを使ってバージョン管理。新機能開発の場合は新しいブランチを作成し、対応する Linear の Issue 番号をブランチ名やコミットメッセージに含めることもあります。

  4. Pull Request 作成
    リポジトリでコードがある程度完成したら、Pull Request (PR) を作成します。PR の説明文に fixes <Issue番号> の形式で記載すると自動連携されます。

  5. レビューとマージ
    PR がレビューされてマージされると、Linear のステータスが自動更新され、タスクが完了扱いになります。GitHub からサイドバーを切り替えずにタスク管理をチェックできるので作業効率が高まります。


運用で感じたメリット

  1. タスク抜け漏れの減少
    今までスプレッドシートや手帳で管理していたころよりも、常にタスクが可視化 されているので、抜け漏れが起きにくくなりました。

  2. 研究と開発の管理が一元化
    論文執筆・実験計画などの研究タスクとプログラミングタスクが1つのプラットフォームで管理できるので、「あれ、次にやるべき作業は何だっけ?」となりにくいです。

  3. プロジェクト全体の見通しが良くなる
    マイルストーン 機能を使うことで、研究スケジュールと実装スケジュールをまとめて確認できます。特に締め切りの多い大学院生活では、進捗を可視化できることが大きな利点です。

  4. チーム開発時の役割分担が明確
    共同研究や学内でのチーム開発をする際、誰がどのタスクを担当しているかが一目瞭然になり、研究室内でのタスクの取りこぼしも防ぎやすくなりました。


まとめ

Linear と GitHub の連携は、タスク管理とソースコード管理を一元化 する強力な手段です。大学院生活では研究・開発ともにやることが多く、管理ツールを上手く活用することで効率やモチベーションを高めることができます。

  • シンプルな UI と軽快な操作性
  • キーボードショートカットやステータス自動更新の便利さ
  • マイルストーン管理により研究スケジュールを可視化
  • GitHub との連携でコード管理までスムーズに

タスクの抜け漏れを防ぎながら、締め切りや目標に向けて着実に作業を進められる 環境を整えることは、研究成果や就活にもプラスに働くはずです。これからも引き続き、Linear の活用アイデアを増やしていきたいと思います。